【吉野式】後輩・部下育成のトークに役立つノウハウ3
みなさん、こんにちは。
吉野真由美(よしのまゆみ)です。
前回に引き続き、後輩・部下とのトークに役立つノウハウの第3章。
今回でラストになります。
- ・「ミス指摘でムスッ」部下の気持ちを切り替えさせるトーク術
- ・「将来のリーダー候補」優秀な部下を辞めさせない”コツ”
- ・「締切を守らせる!」人間心理を利用したトーク術
- 1. AがCに対し、普通ではとても引き受けることができないであろう大きな依頼ごとをする。
- 2. 依頼されたCは引受を断る。
- 3. Cは、断ったことで、相手に対して少し負い目を感じる。
- 4. そこにもってきて、Aからもう少しゆるい依頼があったので、簡単に引き受けてしまった。
と、3つのテーマを用意しています。
ちょっとしたコツを掴めば、
後輩・部下とのコミュニケーションに役立つノウハウですので、
ただ学ぶだけではなく、実際に会社で試してみてくださいね。
「ミス指摘でムスッ」部下の気持ちを切り替えさせるトーク術
私が営業部門でセールスマネージャーをやっていたときのこと。
毎月月末に、その月の行動や成果を反省して、全員でミーティングをおこなっていました。
キャリアが長い順番にひとりずつ、その月に、
「何件プレゼンして、何件契約したのか?」を
みんなの前で発表し、ふりかえりをしていくのです。
営業部内のメンバーがお互いにトークし、
まさかのお客さんが買ってくれた話しや、
絶対イケると思ったお客さんがこけた話しなど、
個人の営業ノウハウやコツ、さらに成功事例、失敗事例も含めて、
みんなで共有することにしていました。
目標達成できなかったSさんの話
しかし、
いつも営業成績の良い部下のSさんが、
その月、目標達成できずにいました。
「プロとして、成果を出すのが仕事である」
また、「成果が出るまで、十分な量の行動する!」
ということが芯まで行き渡っていた私の組織では、
目標達成できずに毎月のミーティングに出ることは、
さながら「針のむしろ」のようでした。
会社の組織は「成果の上がらない仲良しグループ」
であってはいけませんので、そのようなムードは私が作ったものでした。
目標達成できたら、とて気持ちが良いし、誇らしい。
ミーティング時にトークも弾み、みんなに会うのも楽しい!
でも、目標達成できない場合には、極めて居心地が悪い。
後から入ってきた人の方が成績が良かったりして・・・。
良い意味で恥をかいていただく、ということも大切でした。
そして、そのムードはたいへんうまく機能していて、
この毎月のミーティングに気持よく参加し、
自分がきちんと認められるために、部下たちは日々がんばって行動し成果をあげていたのでした。
トークもろくにせず、不貞腐れているSさん
さて、いつもはきちんと目標達成し
このミーティングに明るく参加するSさんでしたが、
その月は目標達成できなかったわけです。
普段、他の営業マン達と仲良くトークをしているのに、
ブス~っと暗い顔をして、ミーティングの間中、始終下を向いて座っていました。
誰とも目を合さないようにしていました。
その態度が私もみんなも気になっていました。
「Sさん、態度悪い!」
「ヤル気ないんじゃない?」と、誰かれともなく言っていました。
「ムスッ」とした表情は、意外な理由だった?
そこで、私はSさんを注意したんです。
「Sさん、今月、目標達成できなかったわけだけど、過去は変えられないわよね。
せめて、他の人のノウハウやコツを学んで来月に活かさなくっちゃ!
そういう意味では、ずっと暗い顔をして下を向いて、
みんなとコミュニケーションしないのはマイナスですよ。」と。
すると、Sさんは、驚くようなことを言ったんです。
「えっ!?私は今月、成績が悪かったんだから、
ニコニコしてちゃいけない、暗い顔をして、
反省の表情で参加しないとみんなに申し訳ない、って思ってたんです!」と。
【吉野式ノウハウ7】教訓を得て未来に活かし「失敗体験を成仏」させよう!
ご質問内容は、
「ミス指摘したらムスッとされた、どうする?」ということなんですが、
Sさんと同様なんじゃないかと私は思うのです。
ミスをしたときに、ニヤニヤしてたら不届き者だと思われる、
トークを楽しんでるなんて以ての外。
反省を顔に出さなきゃ、と思う人が多いのですが、
これが傍から見たら「ムスっとされた」に映るんですよね。
逆にこのように言って、勇気づけてあげましょう!
「過去は変えられない!
だから、失敗しても、時間を巻き戻してやり直すことはできないですよね!
失敗したときは、教訓を得て、
未来にいかすことで、失敗体験を成仏させましょうよ!」とね。
部下の顔にニコっと笑顔が浮かびますよ、きっと。
「将来のリーダー候補」優秀な部下を辞めさせない”コツ”
連日深夜までがんばってくれる後輩や部下がいるなんて、すごいことですよね。
本当に有り難い存在ですし、ますます磨いて大切にしていきたいですね。
逆に、こういう人たちが、
「なぁんだ!この会社。こんなところでがんばったって意味ないや!やめちまえ!」
って思うような会社だと未来はないし、当然この子たちは、やめていってしまいますよね。
だから、やめられる会社をイメージしてその逆をやればいい、ってことになりますね。
優秀な社員がどんどん辞めてく会社の共通点?
がんばってる優秀な人がどんどんやめる会社を研究して
わかったことがあります。
吉野式「ゴジラ言葉」が頻繁に使われている!ということが。
では、吉野式・社内の人間関係をブチ壊す「ゴジラ言葉」とは何なのでしょうか??
吉野式ゴジラ言葉:「ゴ」
まずは一つ目、
ゴ・・・「ご苦労さん!」です。
先出の銀行での話し覚えてますよね。
がんばって残業した女性行員に対し課長が「ご苦労さん!」と言った、あれです。
※詳しくは「【吉野式】後輩・部下とのトークに役立つノウハウ①-部下にお願いするトーク術-」をご覧ください。
「ご苦労さん!」は、はたからみるとそれほど問題なさそうですが、
言われた方はカチンと来るひとことです。
男性はこの言葉を簡単に口にするようなので気をつけて下さいね!
「この短い6文字で私の努力を報いるつもりだなんて甘い!
二度と遅くまで残って仕事がんばったりしないぞ!」と意を固くしてしまいます。
じゃぁ「お疲れ様」だったらいいのか?というとそれも甘いですね。
努力に対する感謝をA「ありがとう!」と伝え、
がんばってくれてU「うれしい!」、
今日中にやってくれてT「たすかるよ!」、
O「○○さんのおかげで明日のプロジェクト会議もうまくいきそうだ!」などど、
吉野式オートマチック話法を活用し、言葉を尽くして伝えるのが鉄則です!
吉野式ゴジラ言葉:「ジ」
ゴジラのジは、アルファベットのDで始まる言葉です。
D・・・「ダメ出しをする」です。
せっかくがんばって提出しても
「なぁんだ、ダメだなぁ~!この程度の仕事にまる1日かかったのかよぉ」
「こりゃダメだ!使えない!」
なんて、口が裂けてもいってはいけません。
今の子たちは、少子化ニッポンにおいて子どもの頃から、
兄弟姉妹の少なく親の愛情を一身にうけて、個室の中で、ゆとり教育で育てられています。
自分を否定なんてされようものなら、
「私のことを全否定する気なんですね!?だったら私にも考えがあります!」と、
逆切れされたり、「うつ」になり会社に来れなくなってしまいます。
ダメ出しは厳禁とおぼえておいてくださいね。
吉野式ゴジラ言葉:「ラ」
次に、ゴジラ言葉の「ラ」です。
これは、「ライバルと比べる」という意味です。
「新人の中で、まだ~~ができないのは君だけだよ!」とか、
「同期の○○さんは、もう今月XXを達成したそうですよ。
それに比べて君はなんだ!○○さんの半分もできてないんじゃないか?」
「後から入った後輩に抜かれたくなかったら、もっと努力をするんだな!」
みたいな言葉、絶対にやめましょうね。
【吉野式ノウハウ8】吉野式「ゴジラ言葉」を排除する!
本人が、良きライバルを見つけて、
自分から切磋琢磨に打って出るなら、それは大丈夫なんです。
そうではなく、他の人がライバルの存在を口にして「けしかける」のは、
社内のムードを悪くしますし、みんなの協力体制にマイナスの影響を与えます。
まずは、社内から「ゴジラ言葉」を排除する、
そこからスタートしてみてください。言葉が変われば、ムードが変わります!
「締切を守らせる!」人間心理を利用したトーク術
人に仕事をさせる、期限を守らせる、
って実はとっても簡単なことなんですよ。
信じられないかもしれませんが、
ちょっとした”コツ”を使うだけで良いんです。
例をあげてみましょう。
ある会社でこんなことがありました。
「うつ」になってしまった部下の話
社員Bさんが、うつになりひきこもってしまったんですね。
もともとBさんは、繊細だけどすっごく優秀な人で、部署の成果に大きく貢献していました。
そんなBさんが突然会社にこなくなってしまったのですから、たいへんです。
また、Bさんのことをとってもかわいがってらっしゃった
親御さんがパニックになり、会社に駆け込んでこられました。
「うちの息子がうつに!部屋から一歩も出なくなりました!
会社はどう責任をとってくれるんですか~!」と。
部長は慌てました。
しかも、2週間の海外出張の予定があり、すぐには動けない状況でした。
で、部長は、Bさんの上司にあたるCさんに依頼したのです。
「Cさん、悪いけど、これから毎日、Bさん宅に訪問して、
Bさんもしくはご両親とコミュニケーションして、解決にあたってくれないか?」と。
Cさんの選択は・・・?
あなたがもしCさんの立場だったらどうします?
責任は重い上に、成果が見込めないとんでもない依頼です。
ヘタすると、巻き込まれて逆恨みをかったり、
自分の社内の評価にまで影響する可能性がありますよね。
普通では、引き受けない仕事なのではないでしょうか。
Cさんは、いろいろ考え、悩んだ挙句に、この依頼を断ることに決めました。
「すぐに対処に当たりたいという部長のお考えはよくわかります。
また、私もBさんは優秀な人材ですからなんとかしたいと思っています。
でも、残念ながら私はその道のプロではありません。
私には対応する自信がありませんし、
まったくどのようにコミュニケーションしていいものか見当もつきません。
申し訳ありませんが、このご依頼私としてはお引き受けできかねます。」
と、丁重に断りました。
Cさんの仕事状況に変化が!?
部長はしばらく腕組みをして考えていたものの、ポンと膝をたたき、
「わかった!そりゃぁそうだろう。無理をいって悪かったな。
そのかわりに、Cさん、
今期Bさんが遂行しなければならなかったプロジェクトの期限が10日後に迫ってるんだ。
こちらのプロジェクトの遂行をお願いできないだろうか?」と。
Cさんは、
「そんなのおやすいご用ですよ!
そのプロジェクト10日以内に私が確実にやってしまいますよ。
ご安心ください!」と、ほっと胸をなでおろし、答えたのでした。
この出来事はどういうことを示しているのでしょうか。
「断ると”負い目”を感じる」のが人間
以下のような人間心理が働いたのです。
この出来事は作為的におこなわれたわけではありませんが、
結果的にCさんはBさんのやり残したプロジェクトを
「あと10日間でかたづける」という実はたいへんな仕事を引き受けたのです。
そして、完遂しました。
【吉野式ノウハウ9】1度断らせ、負い目を感じさせる
ということで!
期限をまもらない人に、期限をまもってもらう方法とは、
1まずとてつもなく大きな依頼ごとをする、
2断らせ負い目を感じさせる、
3本来やってもらいたい期限つきの仕事を依頼する
です。
人間心理を上手く使ったノウハウです。
初めに「大きな依頼」を頼むのが”コツ”ですね!
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