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2005年08月23日

和田弘美さんの本が売れた理由

実は私・・・
普段から、常に何かを研究して生きています。
研究テーマを頭において、日々、暮らしているといえましょうか。
 
だいたい一つのテーマを4~6週間くらい、咀嚼していて、
研究しています。
自分で納得のいく答えが出たら、次のテーマにいきます。
それが、
「アポ取り」だったり、
「クロージングの話法」だったり、
「断りながら売ること」だったり、
「見込みを育てること」だったり・・・
まず、
その研究すべては、「売る」ことに関して、です。
 
7月に鬼塚忠さんに会ってから、
「本を売る」ってどういうことなんだろうか・・・
「売れる本」っていうのは、どういう特徴があるのだろうか・・・と、
本について、自然に研究するようになりました。
 
鬼塚さんとは、和田弘美さんをプロデュースした人です。
つまりは、エージェント=仕掛け人です。
っていうと、
スキルやテクニックで「売れ本」を仕掛ける、
というイメージがあるかもしれませんが、
実際には違います。
 
会って、お話を聞いたり、メールでやりとりをすると、
とてもハートのある、情熱的な良い方です。
すばらしいセンスの持ち主ですが、
それを、明確な言葉にして人に説明するというタイプではありません。
彼にとっても、あくまでセンスや感覚、イメージなのだと思います。
出し惜しみしてるんじゃないんです。
聞けば、結構アイデアくださる人です。
 
私は、 その鬼塚さんのセンスを研究したい!と思ったのです。
 
鬼塚さんがプロデュースした一番の売れ本とは
和田弘美さんの、
「世界NO.2セールスウーマンの「売れる営業」に変わる本」です。
 
一般的には、ビジネス書は2万部に壁があると言われていて、
初版は5000とかせいぜい8000部なんですが、
重版がかかる率は、なんと、15~20%と言われています。
よく売れた本で、13000部くらいが一般的です。
 
鬼塚さんがプロデュースすることによって、
和田さんのこの本は、2万部ずつ重版をして、 最後は
16万部までいった、というのですから、
鬼塚さんの実力がいかにスゴイか!です。
 
でも、私はこの本を広島空港の本屋さんで買ったのですが、
読んでませんでした。
理由は、私の営業組織のメンバーが
「知っていることしか書いてない。
そこから先を書いてくれないと、読む価値ない、
って感じの本なのです。」
といっているのを聞いていたからです。
「マネージャーも、読む必要ないですよ。」と・・・
 
うちのメンバーにそんなふうに言われる、 本が
なぜ、売れているのか、それを知りたくて、
家にあるはずのこの本を探し出して、研究してみました。
 
じょじょに理由はわかってきました。
昨日、おとついに書いた、「電車男」に通じるものがあります。
つまり、
最低から出発して、最高になる、
それを具体的に表現することによって、
一般の人たちに、
「自分にもできそう!」と勇気を与えることができる、
これが、コンテンツの要になっています。
 
アマゾンがどう、とかいったって、
本の96%は今でも本屋で売れるそうですから、
やはり、本は、装丁とタイトルが命です。
 
この本の装丁には、
「初めはフツーのOLだった」と書いてあります。また、
裏表紙には、
「私は営業が嫌いでした。
人とかかわることも嫌いでした。
人前でご飯も食べられないほどに。」
と書いてあります。
これが、セールスとして成功する人間として、
女性としての、「最低」 をあらわす部分なんでしょうね。
 
一般の人に、
「私のほうが、もうすこしマシ・・・」 って思わせる程度の
最低加減がいいのだと思います。
 
また中には、
「OLをやめたとき、お金がなくって、 新幹線代が払えないから
お盆にも実家に帰るのを我慢しなければならなかった。」
などと書いてあります。
 
もし、これが、
「借金苦で、風俗で働きました。」っていうのでは、
やりすぎなんですね。
あくまで、
一般の人が、「私もそういうことあったよ~」 って言える程度の
最低具合を演出し、
共感を得る、
これが、本を手に取らせる、買わせる、
ポイントなのだとわかりました。
 
また、それを、タイトルだけではなく、
装丁の写真、帯、裏表紙まで使って、
全体のイメージで演出してある、 ということがわかりました。
 
写真も、とにかく、フツーの服(ブラウス)を着ています。
きっともう少し良い服をもっていたでしょうけど、
鬼塚さんが「フツーの人がいつも着るようなフツーの服で!」 って
アドバイスしたのだと思います。
彼の言葉では、
「和田さんは、フツーっぽさがいいんだから。」ということです。
 
他の本だと、背表紙の写真なんか、
ジーンズと白いブラウスで、下をむいている写真が載っていますから、
この辺の、フツーの人を演出する、 ということに関しては徹底しているのです。
戦略ですね。
 
内容に関してですが、
一番売れた最初のこの本の、第一章では、
「チョウになったケムンパス」とかいって、
最悪の外見、最悪の話しっぷりだったダサいおじさんが、
売れるようになった話しが書いてあります。
しかし、どういう指導で、どういうプロセスを踏んで、
その人が売れるようになったのかは、それほど明記されてません。
「ダサイおじさんであることを逆手にとり、笑いをとり、
なんか良いムードになって売れた」というふうに書かれているのです。
このヘンが、
うちの営業組織のメンバーが読むと、
「なぁんだ、 そこから先を書いてくれないと意味ないじゃん。 」って
欲求不満に思う理由なんだな、と思いました。
 
書かれていることは、初歩的で、
かつ、若干、古いと感じました。
1990年代前半であれば、これでよかった、と。
うちの会社の仕事にあてはめたのであれば、
情報化社会である今の時代のお客様には、
これくらいのセールスをしたのでは、
ちょっと歯がたたないな、と思いました。
 
しかし、そういう内容を必要としている人が世の中にたくさんいる以上、
本はたくさん売れるのです!
 
一つわかったのは、
営業で成功したい人にも、いろんなレベル、いろんな状況があって・・・
 
すばらしいマネージャーがいて、
スキル的にも、モティベーションに関しても、
どんどん自分を上に引っ張っていってくれたらいいのですが、
世の中的には、そういうことは少ないみたい。
 
ものすごく初歩的なことですら、誰も教えてくれなかったり、
また、言語化して教えてくれなかったり、
ただ、ヤル気ばかりを強調したり、
あなたにもできるのよ!ってことを、言ってくれなかったり、
一般的にはそんなものかもしれない、
ってこと。
 
ピラミッドを描いたとき、
トップの人口は少ないけど、
底辺の人口は多いのですよね。
 
だから、和田さんの本は、そういう
トップではない人たち、
人口の多い、 悩める層をターゲットに、作られているのです。
 
もっと良くなりたい、でも、今の自分には全然自信がない、
どうしたらいいのか、まるで方法がわからない、
誰か私に手をかして~、助けてよ~、
そして、こんな私に勇気をちょうだい!
って人が、和田さんの本に手を伸ばし、愛読するのだ、 と
感じました。
 
 
なお、つけたしですが、
書評、というものがあります。
つまりは、本の評判のことです。
☆5つとかで、あらわされます。
 
和田さんの本は、書評が低くて、かわいそうに感じるほどでした。
「こんなにいじめなくってもいいのに・・」って。
その理由もわかりました。
内容のせいじゃないのです!
 
本っていうのは、たくさん売れたときには、
本来であれば、それを買うべき層でなかった人たちまで、
装丁やタイトルの良さなどで、買ってしまう、
というものなのですね。
 
そういう本来のターゲットでない人たちが、
「なぁ~んだ、思ってたのと違う」っていうコメントをして、
書評を下げてしまうのです。
よって、たくさん売れたビジネス書というものは、
書評が低いことがほとんど、です。
 
また、逆に、
とても書評が高い本は、2万部以内の販売部数であった、
ということが多いです。
なぜか、というと、本来読むべき人たちが読み、納得し、
良いコメントをし、書評が上がる、というわけです。
 
私が、すばらしいと思った、鬼塚さんプロデュースの本で、
元船井総研の、五十棲さんの本、
「2億の会社を10億にする法」は、
部数は2万部、だそうです。
これなんかは、
読むべき人に読まれ、高い書評を勝ち取った例でしょうね。
 
高い書評がとれているのに、部数が出てない、
ということであれば、
それは、その本のタイトルや装丁などの工夫が充分でなく、
本屋に訪れた人に対して、
内容のすばらしさのアピールが足りなかったのだ、
ということになるのかもしれません。

投稿者  : 09:20

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