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2005年11月13日

「高確率セールス」は本当に有効?

フォレスト出版から、出て、
今、話題になっている本、
「売り込まなくても売れる」、
  (ピンク、2002年出版)
「売り込まなくても売れる、実践編」
  (グリーン、2005年10月出版)
 
これらが提唱する「高確率セールス」 は、
本当に有効なんでしょうか?
それで業績アップはできるのでしょうか?
今日は、ちょっとこれについて
検証してみたいと思います。
 
(この本を読んだことのない方にも、
下記はわかりやすい内容と思います
 
 
高確率セールスにおける、見込み客開拓は、
電話を中心にしています。
 
私たちの商品やサービスなどを、
「今」必要としていて、
かつ、欲しがり、 買うことのできる金銭的余裕のある
人たちのことを、
「高確率な見込み客」と、 定義しています。
 
そして、
見込み客発掘とは、
今すぐ欲しいという「高確率な見込み客」と、
それら以外の「低確率な見込み客」を選り分ける作業である、
としています。
 
つまれたトランプの山の中から、
エースを見つけ出す作業・・・
エース以外は、どんどん切り捨てていくのです。
 
電話で質問をし、
それにひっかからなかったら、
こちらが主体性をもって、容赦なく切り捨てる、といった行程です。
 
従来型のセールスが、
1件でも多くプレゼンにいき、ちょっとでも熱心にすすめる、
といった形態なのにたいし、
この高確率セールスでは、
今すぐ買う見込み客だけを見つけに、今すぐプレゼンにいき、
まず契約する、それだけに集中する、
今すぐ買う見込みのない客には、一切アプローチしない、 といった
大きな違いがあります。
 
ちなみに、
フォレスト出版の太田宏社長にお会いしたときに、
「売り込まなくても売れる、
あの本は、新しい視点を与えてくれるからおもしろいですよ!
さすが、あ~ゆ~本を出されるなんて、フォレストさんですねっ!」
って言ったら、
「でも、嫌われるよ~!
あーゆー理論を提唱すると、
日本では、おおいに嫌われるんだよ~!」って言ってました。
 
つまり、
こういうことです。
 
日本の営業界では、
わずか数%しか見込みがなくても、セールスにいき、
そこに渾身の力をふりしぼって、プレゼンし、
熱心に勧めることが、「正しいこと」とされている。
そして、実際に、このようなやり方で、
成果を出し、成功体験を積んできた人も多いことでしょう。
だから、
今でも、低確率な見込み客にもアプローチし、
熱心にすすめることは、
「善」であり「美学」とされている場合も多いのです。
 
実際、たとえ契約がとれなかったとしても、
不可能に近い顧客にも、力いっぱいプレゼンすることにより、
プレゼンの力がつき、次回からのセールスで成功することができる、
というメリットもあります。
私も自分でもこういう方法をおこない、
成功し、また人にも指導してきました。
 
しかし、そこに、登場した「高確率セールス」では、
これらの低確率な見込み客には、セールスにいくな!、見捨てろ!、
といっているのです。
そこで、 従来からの価値基準で仕事をしている人たちから
おおいなる反発がくる、ということなのでしょう。
 
が、
すばらしいとされる従来型のセールス手法にも、欠点があります。
それは、
見込みの低いお客様にも、具体的にセールスすることにより、
営業マンは、断られまくり、心がズタズタに傷つきます。
残念ですが、人間ですから。
それが、営業マンを、疲弊させる要因となり、
寿命を短くする、ことにもつながりかねないからです。
 
ある、非常にすぐれた外資の保険会社は、
「セールスの継続率が、3年目で、80%以上で、スゴイ!」 と
うたっていると聞きましたが、
その話には裏がありました。
3年以上たつと、ほとんどいなくなる、 ということもその側面だったそうです。
 
また、現在、
「営業職」で募集すると、人が集まらない、 というのが
広告界の常識となっています。
営業マンを採用したい会社は、非常に困っているのです。
 
「営業という仕事が、ストレスが強いために、
営業マンが長く続けられない、そして、人を採用しにくい・・・
これはちょっと困った事態だね・・・なんとかしなくっちゃね。」
と、考えている人の人口が増えた、
ということなのです。
だから、 全く違う手法である高確率セールスが
注目されているのです。
 
 
人は、ストレスが高いことをやり続けるには、
特別なエネルギー、モティベーションが必要です。
それを維持するために、
人々は、セミナーに行ったりする場合もあるでしょう。
でも、永続的に、 高いモティベーションを維持することは
誰にでもできることではなかったりします。
 
そこで、ストレス耐性の高い人しか務まらない営業の仕事、
というものを、
ストレスに弱い人にも務まるようにし、
永続的に、ストレスが少なく、できるようにしてあげたい、
という考えから生まれたのが、
この「高確率セールス」という手法なのです。
 
そういった意味で、
高確率セールスは、従来型のセールス手法とは、
大きくかけはなれてはいますが、
私はとても意義のあるやり方だと思います。
 
どこに意義があるか、というと、この部分です。
 
「今すぐ契約するお客」と、
「今すぐ契約しないお客」に分ける、
という部分です。
 
「今すぐ契約するお客」を発掘して、
即座にそこにセールスにいくことを
最優先すること、
これが、この理論の真髄となっています。
 
ピンクの本と、グリーンの本の、2冊を通して、
一環して、このことの重要性と手法が述べられています。
 
さて、私が提唱したいのは、
この後なのです。
 
「売り込まなくても、売れる」では、
分けること、
見込み客にセールスにいくことは、語られていますが、
その後については、書いていません。
 
つまり、今回網にひっかからなかったお客は、
どうしたらいいのか?
という部分になると、この本には答えがないのです。
 
 
私が考えるに、
お客様、というものは、法人でも個人でも、
生きていくうちに状況が変化し、
「今」、必要としてなかったサービスを、
突然、必要とするタイミングが必ずやってくる、ということ。
 
例としては、
今、保険の話が大嫌いで、
セールスに会うことを拒み続ける人がいたとしても、
その人のおじさんが、突然、脳梗塞でたおれ、
家族がたいへんなことになれば、
その人も、自分の保険をいきなり意識し始める、
ということがある、というようなことです。
 
ですから、
「高確率セールス手法」を用いるなら、
今、網にかからなかったお客様とも、
つながりをもち、フォローしつづけ、タイミングを狙う、
ということと、
両立していくことが必須と私は考えます。
 
そこで、必要になってくるのが、
ソフトタッチのコミュニケーションを充実させることです。
 
今見込みが少ないお客様に対し、
営業マンが、具体的に会ったり、話したりしてフォローしていけば、
それは効率が悪く、続けられなかったり、
また、今、見込みの少ないお客様からは拒絶されるでしょう。
 
が、ソフトタッチのコミュニケーション、
(つまり、会わないコミュニケーションのことです。
メール、電話、ハガキ、ファックスなど)は、
大きな拒絶を生みませんし、
また、安価で大量にできます。
そして、だからこそ、定期的に長期的にできます。
 
よって、
「高確率セールス」そのものは、
非常に合理的で、ストレスが低い仕事ができて、有効!
が、これだけでは、かた手おち!
 
今回見込み低と判断し、プレゼンにいかない顧客とは、
ソフトタッチのコミュニケーションによる、情報発信で、
つながりを作り、
タイミングを待つ、
この2本立てをやってこそ、
営業の仕事が長期的に栄える、
このように考えるのです。

投稿者  : 10:31

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